戸塚・泉・栄区の元気な企業紹介コンテンツ

「未来へのバトン」

 

Vol. 003 日本貿易印刷株式会社




日本貿易印刷株式会社は、1947年の設立から数えて約70年の歴史があります。現在は、ガソリンスタンド業界用品販売のリーディングカンパニーとしてたゆまぬ努力を続けている企業です。
今回は、伊藤知之代表取締役社長に、歴史や理念、ビジョンについてお話をうかがいました。

前身は日刊新聞の印刷業。終戦を機に方向転換

「前身は大正時代にさかのぼります。もともとは横浜に寄港する外国企業向けに貿易業界の英字新聞を印刷していたのですが、第二次世界大戦が開戦したことで発行できなくなってしまいました。せっかく印刷機を揃えていたのに、戦時中は全く使うことができず休業状態が続いていたんです。
終戦を迎えると、印刷業を再開しようとなり1947年に日本貿易印刷株式会社として再スタートをきりました。
印刷なら何でもやります!という姿勢でいろいろと営業回りもしていたのですが、今のスタイルへの転機となったのは1955年のことです。横浜港の近くにエッソ石油が事務所を構えていたのですが、当社の営業マンが飛び込み営業をかけたところ“じゃあ、給油領収書の印刷をお願いします”とオーダーをいただき、一手に引き受けることになりました。
当時は横浜市中区真砂町に工場を構えていたのですが、この業務が拡大したことで手狭となり1968年に現在の本社所在地である上矢部工場団地に移転しました」

「ガソリンスタンドの印刷屋さん」から「ガソリンスタンドの商売繁盛提供業」へ

「エッソ石油とのご縁がきっかけで、現在は全国のガソリンスタンド業界用品販売の分野では約70%のシェアを占めるようになりました。そもそも給油領収書の印刷から参入していきましたが、1985年には会員カードを作って差別化に貢献したんです。会員カードがあれば、会員価格で給油できるというシステムを構築したことで、各社に固定顧客が付くようにしました。今では定番となっている、カードと領収書が一緒に保管できるホルダーを企画・開発・製造したのも当社なんですよ。
1998年にはクレジットカードの認定工場となったのですが、これをきっけかに健康保険証や社員証などの製造・発行業務も担うようになりました。
平成に入ると、規制緩和によってガソリンスタンド業界では他業種の新規参入や価格競争が始まり、合併や倒産が多く見られるようになりました。それまで石油会社の保護下にあった業界でしたが、当社ではこれを機に“ガソリンスタンドが繁盛するお手伝いを”という考えのもと、新たな商品の提案などもするようになったのです」

今後はガソリンスタンドの業態変革の支援業を目指す

「時代はめまぐるしく変わっています。電気自動車やハイブリッド車がスタンダードになるのは時間の問題で、ガソリンスタンドは“ガソリンを提供するだけ”では成り立たなくなってしまうことは目に見えています。
これからは車に関するニーズに何でも応えられる地域のカーライフスタンドとしてどうしたらいいのかを共に考え、提案をしていかなくてはならないなと思っています。ほかにも、カードレス化やIoTなど新しい技術に対応できる体制を考えるなど課題は山積みですが、ガソリンスタンド業界でシェアNo.1という価値を追求しながら、業界に貢献していきたいと思います」

社員に伝えた5つの幸せを大切にしながら、常に時代に合った動きを目指します

「70周年の式典では、全社員の前で5つの幸せについて話しをしました。
私は若いころ、仕事の成功だけが幸せと考えていたんですね。でも、心身の健康・人間関係・仕事の成功・経済的な安定・趣味や楽しみといった5つの幸せがすべて満たされることが本当に大事なんだと感じるようになりました。
人間にはいろいろな側面があります。仕事だけでなく、与えられた時間をどうやりくりして、それぞれに関わる時間を持つかということが幅を広げるにはとても重要なんですね。今では、それを上手にできる人が理想の社員像だと思っています。
業界No.1ではありますが、いつ転落するかは分かりません。これからは今の時代のニーズに沿うように提案営業に力を入れてしばらくは頑張っていきたいと思います。
そして、また時代の流れに変化が起きたら、それに合う動きをしていきたいです」

昨年からバイクレンタル会社の仕事をするようになり “バイクのことを知らないのでは何も始まらないな” という考えから一念発起し、中型・大型の二輪免許を取得したという伊藤知之代表取締役社長。
イタリアやスイスなどでのツーリングも経験されたそうです。

これからの時代を背負っていく若い人たちには、自分なりのNo.1を目指して仕事に取り組んでもらいたいと思っています。
それが、自分だけでなくきっと誰かを幸せにするはずです。
当社もNo.1をキープできるように日々頑張っています。
この姿勢に興味がある方がいれば仲間として一緒に仕事をしましょう。

 


執筆:株式会社アドヤン 橋本 岳子

 

戸塚区矢部町出身。20年勤めた不動産情報サービスの会社を退職後、泉区にて広告代理店を開業。デザインや企画はもちろんのこと、編集や取材・文章作成も得意としている。不動産関連の執筆や取材は自ら行い、知識やトレンドを蓄積。初心者にも分かりやすい文章作成を心がけている。

 

横浜市工業会連合会 戸塚泉栄工業会 未来づくりプロジェクト実行委員。

 

【実績】大手ディベロッパー、東京都・川崎市・平塚市など自治体発行物の制作・編集。大手信託銀行系不動産仲介会社HP、電鉄系買取専門会社HP、不動産管理会社の定期発行新聞など連載記事多数。企業や団体、個人などのチラシ・パンフレット・名刺・Tシャツの作成実績もある。